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初めての決算!記帳をセルフチェックするための6つのポイント

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スタートアップの会社でこの3月に初めての決算を迎える会社も多いと思います。
前回は「初めての法人決算!注意すべき3つのポイント」をお伝えしましたが、そもそも記帳自体にも不安ありますよね!?
 
今まで記帳してきた内容が本当に合っているのか?
税理士に決算を依頼した時に全部やり直しなんてことにならないか?
もうだめだーーーだあああああ!
 
はい、落ち着いてください。
 
初めての決算を迎える前の記帳の不安に、記帳をセルフチェックするための6つのポイントをお伝えします。
 
まずは、会計ソフトで会社設立日からの月次推移表を開いてみてください。
 

1.毎月定額で発生すべきもの


事務所家賃やリース料、通信費、役員報酬など、毎月定額で発生する項目について、月次推移表(損益計算書)で毎月定額での記帳になっていますか?どこかの月だけ金額が違ったり、記帳がなく0円になっていたら、見直しが必要です。
 
   
 月次推移表(貸借対照表)のほうでは、事務所家賃は通常、前月末に翌月分の家賃を支払うため、毎月月末には1か月分の家賃の「前払費用」が月次推移表に表示されるのが正しい記帳となります。
 
毎月の記帳では家賃を支払ったときに「地代家賃」として記帳している場合でも、決算の月末に支払う家賃は「前払費用」で記帳してください
 
 

2.イレギュラーに発生した勘定科目


毎月「給与」で記帳しているのに、1ヶ月だけ「雑給」で記帳している。
取引内容は毎月発生するものなのにいつもと違う記帳をしてしまっている。
など、イレギュラーな勘定科目で記帳している取引がないかご注意ください。
 

3.関連する勘定科目との関係が不自然なもの


「売上」が増えているのに「仕入」が減少している。
人員を増やして「給与」が増えているのに「法定福利費」が減少している。
など、月次推移表の推移を見る中で関連する勘定科目との関係が不自然なものがないか確認してみましょう。
 

4.マイナス残高となっているもの


記帳してきた取引は、会計ソフトの「試算表」を見ると1年間の取引の累計額が分かります。
1年間の取引の累計がマイナス残高となっているものは、どこかで記帳のエラーがあります。
 
 

5.残高に動きのないもの


月次推移表の推移を見たときに、「資本金」は設立時から金額が変わらなくても不自然ではありませんが、入出金をしている銀行口座の「普通預金」残高に動きがない場合には記帳漏れがあります。
 
他の勘定科目についても、月次推移表を見る中で残高に動きがない場合は、本当は取引があって残高に動きがないとおかしいものがないか注意してみましょう。
 

6.残高が増え続けているもの


A口座からB口座に資金移動した場合、2つの口座で入出金を記帳すると、
 
①A口座からの出金取引
②B口座での入金取引
 
この2つの同じ取引が記帳されることとなり、
 
【A口座の帳簿残高は実際よりも減り続け】、【B口座の帳簿残高は実際よりも増え続ける】こととなります。
 
銀行口座間の資金移動は出金する側のA口座でのみ記帳するなど、どちらか片方だけ記帳するというルールを決めると2重記帳を防ぐことができます
 
 
 他にも残高が増え続けている勘定科目があった場合、2重記帳となっていないか確認してみましょう
会計ソフトで「総勘定元帳」を開くと、勘定科目ごとに1年間の取引内容の一覧を見ることができます。
※「未払金」の勘定科目の総勘定元帳を開けば、1年間に「未払金」で記帳した取引の一覧が出てきます。
 
 
 
以上となります。
 
記帳が正しくできているかどうか、請求書だったり預金通帳とのチェックも重要ですが、会計帳簿をいろいろな角度から見ることで記帳の漏れ、誤りをチェックすることができます
 
決算を向かえる前に、1年間の取引を振り返りながら6つのポイントで会計帳簿を見直してみましょう。
 

村田 光平(むらた こうへい)

公認会計士、税理士 、行政書士 、公益社団法人日本監査役協会会員。2005年に中央青山監査法人、2007年に京都監査法人東京事務所を経て、2013年より税理士事務所を開業。年間50社の会社設立手続を行い、法務・税務の両面からサポートを行うスタートアップ企業のエキスパート。