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副業解禁!そのとき企業が対応すべきことは?

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副業・兼業を希望する方は年々増加傾向にある一方、多くの企業では、まだ副業・兼業を認めていないのが現状です。
企業が副業・兼業を認めるにあたっての課題・懸念としては、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること等が挙げられます。
また、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取扱いのルールが分かりにくいとの意見もあります。
今回は、副業を認める場合の企業の対応について解説をします。


 

会社は副業・兼業は許可しなければならないのか?

会社は一律に副業・兼業は許可しなければならないということはありません。
ただし、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には 労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは相応の合理的な理由が必要となります。

裁判例を踏まえた具体例としては、労務提供上の支障となる場合、企業秘密が漏洩する場合、企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害するなどの理由がある場合などが挙げられます。
副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められます。

副業・兼業についての届出はどのように行うべきか?

副業・兼業を認める場合、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等がないか、また、長時間労働を招くものとなっていないか確認する観点から、副業・兼業の内容等を労働者に申請・届出させることも考えられます。
その場合も、労働者と企業とのコミュニケーションが重要であり、当該労働者が副業・兼業先に負っている守秘義務に留意しつつ副業・兼業の内容等を把握する日超があるでしょう。
把握の方法としては、自己申告のほか、労働条件通知書や契約書、副業・兼業先と契約を締結する前であれば、募集に関する書類を活用することが考えられます。

労働時間の把握はどうしたら良いか?

労働基準法第 38 条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定されており、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含みます。(労働基準局長通達(昭和 23 年5月 14 日基発第 769 号)) 
つまり、労働者が労働基準法の労働時間に関する規定が適用される副業・兼業をしている場合、労働者からの自己申告等により副業・兼業先での労働時間を把握しなければならない場合があります。
また、労働時間だけでなく、健康の状態を把握するためにも、副業・兼業の内容等についても、労働者に申請・届出させることが望ましいと考えられます。

健康管理はどの様にしたら良いか?

使用者は、労働契約法第5条に、安全配慮義務(労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をすること)が規定されていますが、労働者の副業・兼業先での働き方に関する企業の安全配慮義務について、現時点では明確な司法判断は示されていません。
また、労働安全衛生法第 66 条に基づく一般健康診断及び第 66 条の10 に基づくストレスチェックは、常時使用する労働者(常時使用する短時間労働者を含む。)が実施対象となっています。
この、「常時使用する短時間労働者」とは、短時間労働者のうち一定の要件を満たす者を指しますが、この要件の判定にあたっては、副業・兼業先における労働時間を通算する必要はありません。

就業規則にはどの様に記載したら良いか?

厚生労働省が平成30年1月に改定した「モデル就業規則」に、副業・兼業に関する規定が新たに追加されました。
以前までの「モデル就業規則」に副業・兼業に関する規定はありませんでしたが、平成 29 年 3 月 28 日に働き方改革実現会議において決定された「働き方改革実行計画」に、副業・兼業の普及促進について記載されたことが影響しています。

厚生労働省の「モデル就業規則」で例示された文言は以下の通りです。

(副業・兼業)
第○条  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合


以上です。

なお、就業規則の内容は会社の実態に合ったものとしなければならないことから、副業・兼業の導入の際には、労使間で十分検討するようにしてください。

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