建築現場や道路、プラント工事に使用される「足場」のレンタル事業を展開する株式会社杉孝。近年は、仮設機材レンタルに加えBIM(Building Information Modeling:3次元の建物デジタルモデル)・3Dスキャンを活用した「足場計画サービス」・デジタル技術を活用した「足場安全コンサルティング」など、幅広くサービスを提供しています。
技術営業部に所属し、現場へのBIM推進を中心としたデジタル関連のサービスを扱うデジタルサービス推進課の三宅さん、明石さん、菊地さん、木村さん、そして全社の業務効率化を図るスマートワーク推進室の中島さんに取材し、Bizer teamの導入背景や成果をお伺いしました。
年間約90件もの案件を担い、Excelでの管理に限界を感じていた
――それぞれの部署の役割を教えていただけますか。
三宅さん:
我々が所属するデジタルサービス推進課は、デジタル技術を活用することでお客様の工事を効率的に進めるための支援を行うチームです。明石や木村は新築現場を中心に現場の生産性向上を目的に現場のBIM推進をサポートする「BIMサポーター」として活躍しています。一方、菊地は3Dスキャンカメラでの撮影、点群処理、BIM化をリニューアル現場で担当しています。
中島さん:
スマートワーク推進室は、全体最適に繋がる業務効率化を目指して、部門を横断した課題の解決策を検討する部署です。いわゆる“情シス”のようにシステム導入の専門部署ではなく、現場で働いていたメンバーが、経験を基に様々な省力化プロジェクトを支援しています。
――Bizer team導入前の課題を教えてください。
菊地さん:
現場専属の「BIMサポーター」は1名あたり約30案件、チームでは年間約90件もの案件を担当しています。以前はExcelで作成した管理シートを使っていましたが、記憶力に依存していた上に案件数も多く、度重なる更新漏れが課題でした。また、3Dスキャンチームも更新漏れの防止や入力作業の効率化が課題となっており、その他チーム間の業務引き継ぎがスムーズにできるツールも必要でした。特に私や木村は入社して1年経っておらず、記憶にも頼りきれない状態です。具体的にどのような業務が発生するか分からないので、都度先輩社員への確認、該当する資料を探す手間が発生していました。
三宅さん:
当時、Excelを使って案件管理を行っていました。しかし、BIMサポーターの案件が増えるにつれ、スケジューラーでチェックしたり、毎週会議を設けたりして確認作業を行う必要があり、大変な状況でした。以前は2名体制だったため、力技で何とか管理できていましたが、増員に伴い管理の複雑さが増していきました。タスク管理をデジタル化すれば、もっと便利になるのではと考えました。

社内で利用しているプロジェクト管理ツールを導入するも、作業が煩雑になり二重管理に
――Bizer teamの導入はすぐに進みましたか?
三宅さん:
社内の横断プロジェクトでは既にプロジェクト管理ツールを使用しており、その操作に慣れていたため、デジタルサービス推進課にも同じツールを導入しました。しかし、BIMサポーターの業務にこのツールを適用しようとすると、繰り返しの作業が多く、入力が煩雑になるため、結局もともと使用していたExcelデータとの二重管理になってしまいました。横断プロジェクトは期間が年単位で、業務が定型化されていないため、プロジェクト管理ツールが適していましたが、デジタルサービス推進課の業務には向いていないことに気づきました。
中島さん:
常々、デジタルサービス推進課の他にも複数の部署から「タスクをうまく管理したい」という声がスマートワーク推進室に寄せられており、展示会に行った時にBizer teamに出会いました。
社内にはプロジェクト単位で進める業務が少ないため、プロジェクト管理ツールを使える場面は限られています。一方、タスク管理ツールであるBizer teamは汎用性が高く、様々な部門でこのツールを活用できれば、統制の意味でも効果が高いと感じました。ユーザー側の視点では、タスクの進捗管理と業務マニュアルの役割を同時に満たすことができる点が魅力であると感じて、プロジェクト管理ツールからの乗り換えを提案しました。
一見すると、プロジェクト管理ツールとタスク管理ツールは似ています。プロジェクト管理ツールがうまくいかなかったのに、再度別のツールを試すことに疑問を呈する雰囲気もありました。それでも実際に必要とされているのはBizer teamの機能であり、それによって業務が効率化される部署は多いということを理解してもらうには、段階を踏んで証明する必要があります。期限と目標を決めて導入を進め、効果が表れたらそれを根拠にさらに範囲を拡大するというステップで進めていきました。
個人的には「絶対成功する」というイメージがありましたし、特にデジタルサービス推進課では菊地が他のスタッフを巻き込みながら準備を進めてくれて、「軌道に乗せたい」というエネルギーを感じました。部門を横断して様々なメンバーに声をかけ、仲間を作って推進したことが導入成功の要因だと思います。
菊地さん:
Bizer teamの使い方をウェビナーやYouTubeで拝見したときに、準備期間を設ける必要があると感じました。ただ、しっかりと導入準備をして軌道に乗せられれば、あとはみなさんの意見を調整するくらいです。分かりやすい動画がたくさん公開されているので、これから導入する方は、YouTubeを見ていただいた方が進めやすいと思います。

可視化したことで不要な業務が見え、1カ月あたり約20時間の業務時間削減に
――Bizer team導入で工夫したことはありますか?
菊地さん:
最初にプロジェクトメンバーやチームごとに目標設定をしました。導入初期段階で進め方やスケジュールを可視化できたので、あとは「実行するだけ」という状態に持って行くことができました。最初はExcel管理時代の固定観念が抜けず、管理シートを転記したテンプレートを作るなど試行錯誤していました。Bizer teamの方に見ていただいたら、「チェックリストの粒度が粗いので、手順レベルに細かく刻むと良いですよ」とアドバイスをもらったので、39個から91個までチェックリストの項目を増やしました。行動ベースで作業をリスト化したので、先を見越してどのように動けば良いか判断できるようになりました。
明石さん:
1番良かったのは、「こんな仕事もしていたんだ」という、自分では気づいていなかった作業も可視化できたことです。作業を洗い出したおかげで全体を俯瞰できて、不要な作業が見えてきたことで、業務の標準化にもつながりました。
三宅さん:
承認作業は他社のチャットツールを使っていたのですが、約10名のメンバーの承認依頼の緊急度が分からず、結局声を掛けたり、別途スケジューラーに入力したりして、承認漏れを起こさない様に管理する事が双方にとって負担となっていました。Bizer teamを導入したことで、時間に余裕があるものはBizer teamで管理し、急ぎのものはチャットツールを使うという使い分けができるようになりました。Bizer teamでは一覧で溜まっているタスクが確認でき、コメントを返すことも可能です。コミュニケーション履歴が残るため、お互いに承認漏れがないことを確認でき、安心して業務を進められるようになりました。
――Bizer team導入の成果を教えてください。
三宅さん:
Bizer teamの説明を最初に受けた際に特に心に響いたのは、「ただのタスク管理ツールではなく、ノウハウを見える化するツールです」という言葉でした。「BIMサポーター」は明石と私が新しく始めた役割だったのですが、メンバーが増えたタイミングで業務を定型化していたので、作業を標準化するのにBizer teamがぴったりでした。このツールを導入したことで、ノウハウの見える化が一気に進み、大変助かりました。入社したばかりの木村もBizer teamを活用して業務に従事してくれたので、経験のある人からない人へ知識を共有するのに非常に役に立ちました。ノウハウの可視化ができる点がBizer teamの素晴らしいところだと思っています。
木村さん:
入社した段階で業務マニュアルは用意されていたものの、中途入社したばかりでタスクや業務の流れが飲み込めていない状態だったこともあり、次に何をすればいいのか分かりませんでした。一方、Bizer teamは作業が手順に従って並んでいて、関連する資料もリンクされています。私の知識が不十分でも業務が可視化されていると理解が進むので、先輩に頼らなくても基本的な流れは自分でできるようになりました。
業務量が多いので、分からないことを都度聞いていると、先輩の業務量も増えてしまいます。入社してから半年ほどはお互いに業務量が非常に多かったですが、Bizer teamの導入で、単純な確認作業に費やされる時間が一気に減りました。
菊地さん:
Bizer teamを実際に使ってみて、チーム全体では1カ月あたり約20時間程度の削減になっています。業務をテンプレートに集約して標準化できたことで、先輩から後輩への指導時間が1名あたり60分、チーム2名で120分は削減できています。メールやフォルダなどを探す手間もなくなり、およそ1案件あたり15分程度は削減できているのではないでしょうか。Bizer teamは作業を自動化するツールではないので、一つひとつの削減インパクトは小さいかもしれませんが、案件が多いと積み重なるので、結果的にかなりの業務効率化が実現できていると思います。
明石さん:
効率化によって創出できた時間は、個人と全体の業務改善に充てて、改善できた業務をBizer teamのテンプレートに反映させるというサイクルを作っていきたいです。Bizer teamはタスクが可視化されるので、改善したことが明確になるし、使うことでノウハウが貯まっていくという点でもありがたいです。
ツールを活用する意義を共有し、本質的な改善を続けていきたい
――削減できた時間を使ってどのようなチームにしていきたいですか?
菊地さん:
今年、新しい3Dスキャンカメラを購入しました。業務の一部が変わるので、新しく進め方を考え直す必要があります。我々の課は新しい仕事の進め方や新しい機材が導入されやすい部署なので、常に柔軟に対応する必要があります。Bizer teamを活用することで業務の標準化や効率化が図られて、またさらに新しいことにチャレンジできる環境を作れると考えています。
三宅さん:
Bizer teamを導入したことで、業務が非常に効率的に行えるようになった一方で、マネジメント観点では「機械的になり過ぎてしまう」という懸念も出てきました。ツールが便利すぎるために、人間同士のコミュニケーションが不足し、普段であれば一言入れて確認すべきことでも、そのまま進めてしまうといった課題も見受けられます。今後は、Bizer teamの使い方をさらに洗練させ、より良い効果を生み出していきたいと考えています。
明石さん:
案件が増えているので、約90のタスクを「確実にやりきる」ことが目的になってしまい、お客様が本当に望んでいることを汲み取れなくなるかもしれないという不安があります。「我々のサービスは何のためにあるのか」というマインドの共有と、実際のタスクをセットで伝える必要があることを痛感しています。Bizer teamは、手順を可視化してノウハウを蓄積するツール。我々が活用する意義を共有して、今後も本質的な業務改善を続けていきたいですね。
