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導入事例

Bizer teamで離職率が改善!2都県13施設を運営する福祉法人の事務本部が「支え合うチーム」になるまで

社会福祉法人 南町保育会

下北沢保育園 園長 金子さん(左)、東京事務局 / 働き方改革担当(施設業務改革担当)麦島さん(右)、福島本部 渡部さん(オンライン)

経理人事総務 51〜300人

課題

  • 法人の成長スピードにバックオフィスが追いつかず離職率が高かった
  • 退職者が多いためノウハウが蓄積されずマニュアルも作成できなかった
  • 育児中の事務職員が多いのにも関わらず急な休みに対応できなかった

決め手

  • 業務量や関係者の多いバックオフィスならではのタスクを管理できる
  • 「稼働見積もり時間」「稼働時間」の機能で業務量の目安が分かる

効果

  • 各自が先を見越して作業できるようになり、フォローの必要がなくなった
  • 急な休みにも対応できるので、育児中の職員が安心して働けるようになった
  • 「業務はチームで支えるもの」という意識変化が起こり、離職率が低下した

昭和2年に県の認可を受け、福島県会津若松市で保育事業を開始した南町保育会。福島県と東京都で認定こども園や認可保育所の運営に加え、こどもクラブや児童発達支援事業などを行っています。

南町保育会の保育理念

今回は、社会福祉法人 南町保育会の前事務局長であり2023年に開園したばかりの下北沢保育園 園長の金子さん、東京事務局で働き方改革を担当する麦島さん、会津本部に勤務する渡部さんに取材し、Bizer teamの導入背景や成果をお伺いしました。

離職率が高い状態でコロナ禍が直撃。ITツールを導入し業務改善を実施するきっかけに

――Bizer teamを導入した経緯を教えてください。

金子さん:
南町保育会は福島県で事業を開始し、地域のニーズに応じて福島県と東京都で施設を増やしてきました。会津本部と東京の2都県に事務局があり、各13施設にも事務職員がいるのですが、急激な成長スピードに事務の体制が追いつかず、離職率の高さが課題になっていました。当時は入社半年程度での早期退職が常態化していて、ノウハウが蓄積せずマニュアルも作れない。自転車操業に陥っていたところにコロナ禍が直撃し、テレワークを迫られました。

麦島さん:
バックオフィス業務は決算の時期になると時間外労働が増える上に、育児中の職員が多く子供の体調不良を理由に休むことも少なくありません。急な休みも誰かが代わりに作業ができれば問題ありませんが、人の入れ替わりが頻繁だったため進捗が掴めず、サポートすることができませんでした。

代わりがいないという環境で、事務職員の皆さんは「自分が休むことになったらどうしよう」というストレスを抱えて過ごしていたのだと思います。困りごとがあっても誰に聞いたらいいのか分からないので、当時の事務局長だった金子に問い合わせが殺到していました。金子が電話に出ないと色んな仕事が止まるので、ボトルネックになっていたんです。

金子さん:
当時は毎日電話が鳴り止まないくらい、常に誰かと会話していた記憶があります。自分が電話に出られないと、次は麦島に電話がかかってきていました。みんな大変な状況でしたね。

渡部さん:
私は療育で採用されて本部の事務職員に異動したのですが、前任が急に辞め引き継ぎもほとんどなくとても大変でした。前任の方もいきなり業務を任されて、分からないことがあっても誰も教えてくれなくてつらい思いをしていたのかもしれません。大変な職場なので離職率が高く、後任もまたつらい思いをするという悪循環に陥っていました。

麦島さん:
私と金子とITに興味関心のある職員の3名でタスク管理を含めて給与計算や勤怠管理、チャットなどの各種ツールを試すことにしました。タスク管理についても様々なツールを検討しましたが、人材採用や産休・育休、退職手続きなど、作業量が多く複数の担当者の協力が必要になる大きなタスクの管理ができるのはBizer teamだけでした。最初は東京の職員に使い方の説明をしていたのですが、会津本部にツールに抵抗のない職員がいて、「入力しておけば手順書になる」とどんどんテンプレートを作り始めました。それを見た会津本部や東京、各施設の事務職員も有効性を感じて少しずつ定着し始めました。

Bizer team導入前に、タスク管理の考え方や時間の見積もり方の研修からスタート

――Bizer teamの導入はすぐに進みましたか?

渡部さん:
2年前までハンコと紙の文化だったので、本当に大変でした。だからIT化で本当に便利になりましたが、紙が当たり前だった職員からすると、仕事の進め方が一変するようなツールが次々と導入されて、変化が急すぎてついていくのも大変だったのではないでしょうか。

麦島さん:
ただでさえ平常業務が多いところに自分のタスクの棚卸しが追加になれば、Bizer teamの入力に尻込みするのは当然だと思います。導入に抵抗感のある職員には無理には勧めず、興味を持っている職員にテンプレートを作ってもらうようにしました。

私は前職がSEだったので、新人研修やOJTでタスクやスケジュール管理の方法を学びましたし、WBSやガントチャートなどの使い方も教えてもらいました。でも、ここでは保育補助などで採用されて事務を覚えるケースが多く、理事長や事務局長が言ったことが最優先。タスク管理の概念自体がなかったので、Bizer teamの必要性を伝えるのがとても大変でした。そこで会津本部ではeラーニングでタスク管理の考え方や時間の見積もり方、スケジュールやToDoリストで管理する方法などを学んでもらってから、Bizer teamの説明をすることにしました。

個人的には「稼働見積もり時間」と「稼働時間」の機能が良かったです。エリアマネジャーなので各施設の事務職員の引き継ぎをサポートすることもあるのですが、業務時間の目安があれば後任は心の準備がしやすくなります。これはBizer teamにしかない機能で、導入当初は見積もりのズレが大きかったため積極的に使用していました。

渡部さん:
Bizer teamにタスクを入力して運用するまでは大変だけど、導入してしまえば仕事が楽になるのは間違いないので「やるしかない」という気持ちでした。自分が急に休むことになった時に「Bizer teamがあって良かった!」という体験をしたので、まだ使いこなせていない人も実際に必然性を体感できる機会があれば意識が変わると思います。

麦島さん:
Bizer teamを導入してチームで手伝うことができれば、時間外勤務を減らすことができるし有給休暇も取得しやすくなります。職員には「将来的に誰かが怪我や病気をしたら困ってしまう組織は長続きしない」「今は大変でも長期的に楽になる」という話をするようにしています。

「Bizer teamに入ってる?」が合言葉になり安心して働ける環境になった

――Bizer team導入の成果はありましたか?

麦島さん:
先を見越して作業できるようになったのが大きな成果です。急な休みに対応できるようになっただけでなく、前倒しをしているので私がフォローをする必要もなくなりました。

渡部さん:
Bizer teamで作業の期日を確認することができるので、優先順位や業務量に従ってタスクの順序を入れ替えたり、前倒して作業したりするようになりました。会津本部も育児中の職員が多いのですが、子供の体調不良などで急に休むことになると気が気じゃなくなります。以前は、休みを取っても頭の中に残っている業務が気になって、他の事務職員に電話をして作業をお願いすることもありましたが、Bizer teamに業務の進捗やコメントを入れているのでお互いにフォローすることができます。急な休みも安心して取れる環境は心理的に安心で働きやすく、すごく助かっています。

麦島さん:
これまでは一人ひとりが「任された仕事は自分のもの」と必要以上に責任を抱えて一生懸命に走り続けている状態でした。全速力で走り続けているうちに疲れてしまって、退職していまいます。Bizer teamの導入で「仕事は誰かのものではなくチームで支え合うもの」という意識変革が起こり、「Bizer teamに入ってる?」が合言葉になり入っていると安心するようになりました。

――今後、目指していきたいことはなんですか?

麦島さん:
事務職員や保育士の働き方改革はまだ道半ばです。時間外労働をなくし待遇や休日などをもっと増やして働きやすい環境にして、保育の質を維持できる状態にしていきたいと考えています。

金子さん:
保育に好評をいただいた結果、気づけば施設数が多くなりましたが、今後は規模の拡大よりも質の追求を重視していきたいです。ずっと紙文化の古いやり方でしたが、これは当法人独自の課題ではなく、業界全体の課題でもあります。業界の経営者が集まる交流会に参加することがあるのですが、保育のあり方を熱心に議論されても、組織運営や業務効率化という話題は出ないんです。我々も業界全体の流れの中で、いつの間にか時代に取り残されていました。

南町保育会は質の高い保育で業界をリードしていこうと考えていますが、組織の進め方や運営という面でもリーダーシップを発揮していきたいという展望があります。

業務の標準化を進め、どのような時も機能する頼れるバックオフィスへ

――今後、どのようなチームにしていきたいですか?

金子さん:
何があっても誰が欠けても組織が常に運営できる状態を目指し、喫緊の課題として業務の標準化や平準化を進めています。2021年に本部の5カ年目標として、ビジョン・ミッション・バリューを定めました。2025年を目安に業務の標準化を進めて、短期的にはどのような時も機能する頼れる存在となることを目指しています。

麦島さん:
本部では朝会を週に1度開催しているのですが、5カ年目標をベースに月次目標を設定し、振り返りを行って達成したかどうかを確認しています。業務標準化が目標なので、KPIは時間外勤務や有給取得率になりますが、これらは毎月継続的に達成する必要があります。会津本部では、当月に発生する業務をBizer teamで明らかにして、「時間外勤務が発生しそうな人のタスクを分配する」「業務量を可視化して手伝う」などのアイデアを出して自走し始めたところです。

渡部さん:
朝会で「今週の業務量厳しくない?」「この業務お願いできるかな」とざっくばらんに話しながら、お互いに助け合える環境になってきました。

麦島さん:
3年くらい前はみんながどこに向かって頑張ればいいのか分からず、仕事の価値観がバラバラになっていることが課題でした。ビジョン・ミッション・バリューを定めてもらって浸透させることで、現場とバックオフィスが同じ方向を向いて仕事ができるようになり、私もマネジメントがしやすくなりました。

金子さん:
Bizer team を含めたITツールの導入で業務改善を行い、目標を掲げることで高かった離職率も随分落ち着きました。現在は業務標準化を頑張っている最中ですが、長期的には職員がもっと活躍できる環境を作り、保育やバックオフィスの運営を社会に共有して、福祉の発展に貢献していきたいと考えています。

※記載の情報は取材当時のもので、閲覧時点には変更されている可能性があります。

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