国内に14社、海外に14社のグループ会社を持ち(2023年1月1日現在)、「マーケティング支援(消費財・サービス)事業」「マーケティング支援(ヘルスケア)事業」「ビジネスインテリジェンス事業」を展開するインテージグループ。
その中で、インテージ・アソシエイツはインテージグループのバックオフィス業務を担うシェアードサービスカンパニーです。今回は、人事サービス部のグループリーダーである栗林さん、前田さん、髙橋さん、北川さんに取材し、Bizer teamの導入背景や成果をお伺いしました。
1,000以上のタスクをExcelで管理。リアルタイム性に欠け運用に限界を感じていた
――みなさんのチーム体制を教えていただけますか?
栗林さん:
我々は人事サービス部に所属し、インテージグループの人事業務を行っています。システムチームの前田と髙橋が部内のデジタイゼーションを担当し、北川が人事労務を担当しています。Bizer team導入の際は、この3名が中心となってスモールスタートで始め、最終的に30名ほどのメンバーに展開しました。
――Bizer teamを導入した経緯を教えてください。
栗林さん:
5年ほど前、品質向上のため業務を「見える化」し、標準化・平準化を更に進める機運が高まりました。フローやマニュアル作成に専任担当者を置き、ルールやひな形を設けて、「フロー作ろープロジェクト」として部全体で取り組みました。
1年以上かけたこの活動の成果として、タスクの可視化はできた反面、1,000以上のタスクを管理することに。機械的かつ誰にとっても分かりやすいタスク管理を目指し、他プロジェクトで使っていたSaaS製品の転用を検討しましたが、痒い所に手が届かず、我々のオペレーションにもマッチしなかったため、やむなくExcelやAccessで作り込むことにしました。
我々の業務は定期的なタスク、いわゆるルーティン作業が多く、毎月1,000以上のタスクを納期通り完遂したか管理する必要があります。しかしExcelでは、上書きや更新忘れ、「読み取り専用」で入力できないなどの問題が頻発していました。そして、翌月のタスク管理のため、Excelシートをコピーして日付を手動で修正する手間もありました。
Excel管理に限界を感じながらもフィットするツールが見つからず、検索を続けていたところ、ついにBizer teamがヒット。我々の業務にぴったりだと感じ、すぐに連絡し説明を聞いて「これしかない」と確信しました。
立候補制の「アンバサダー」が、導入時の困りごとをフォローしてくれる味方に
――Bizer teamの導入はどのように進められたのでしょうか。
髙橋さん:
Bizer teamには「タスク」と「チェックリスト」という概念があり、使える機能も多いです。一気に部のメンバーまで導入すると、それこそ大混乱になるので、スモールスタートという形でシステムチームが導入し、使い方のイメージを固めた上で部に展開しようと思いました。どのように使ったらいいかを僕らが先に確認し、基本的な使い方やラベルのつけ方などのルールを整備していきました。
北川さん:
私は運用担当者の第1号として、スモールスタート中に参加しました。基本的な操作方法やルールなどの下準備ができあがった段階だったので、導入はスムーズでした。Bizer teamの使い方が分かる動画が用意されていたのも、うまくいったポイントだったと思います。
前田さん:
私はBizer teamの前に、他のSaaSサービスの導入を担当していました。当時は2~3名のシステムチームが30名以上の導入対象メンバーをサポートしていました。様々なメンバーから同じような質問を受けるので、「フォローしてくれる味方が欲しい…」と強く感じていました。
その経験があったため、Bizer team導入の際は「アンバサダーを置きましょう」と提案しました。「取りまとめ役」や「責任者」だと重くなりますが、「アンバサダー」は「一緒にプロジェクトを盛り上げる役」というポジティブな響きがあります。事前にこちらからも声をかけますが、押しつけにならないよう手挙げ制にして参加してもらうようにしました。部のメンバー30名中、約10名の方がアンバサダーに手を挙げてくれて心強かったです。
栗林さん:
いかに「自分ごと」として向き合ってもらうかが導入のポイントです。リテラシーの高いメンバーに合わせてスピード重視で進めるか、もしくは全員の足並みを見ながら慎重に進めるか、どちらにもメリット・デメリットがあるでしょう。我々の場合は、頻繁にコミュニケーションを図り、一人も取りこぼさないように説明を噛み砕くというアプローチが最適解でした。
丁寧に説明しているとどうしても導入スピードが落ちるので、プロジェクトメンバー3人で役割分担をして動画で確認できるものは録画しておくなど、しっかりと計画を立てて伝え方を試行錯誤した結果、成功に結びついたのだと思います。
1年後のタスクもBizer teamに登録!リマインダーが届くので安心して忘れられる
――Bizer teamの使い心地はいかがですか?
前田さん:
毎月、Excelで翌月のタスクリストを作っていましたが、その作業が楽になってすごく嬉しいです。Excelは月次単位で管理していたので、日次や週次に対応できていませんでした。年次のタスクも登録しておけば自動でリマインドが届くので、安心して忘れられるのも魅力です。
栗林さん:
例えば、当部に新規配属があると部ならではの教育や手続説明を行います。そして業務システムへの権限付与などその数50弱もありますが、今までのExcel表は、マニュアルが格納されたフォルダを見に行ったり、インテージグループの従業員用サイトを見ながら説明したりと、Excelだけで完結できていませんでした。Bizer teamの導入以降はBizer teamがハブになって、進捗管理だけでなくマニュアルや関連資料も確認できスムーズになりました。
また、Bizer teamなら気兼ねなく上司を担当者に割り振ることができるのも良いですね(笑)
北川さん:
確かに、面と向かって上司に「この業務をお願いします」とは言いにくいですが、チェックリストなら依頼しやすいです。現在は、システムチームの業務以外に、インテージグループの労務管理のチェックリストの作り込みも行っています。
プレッシャーがあったExcel時代。Bizer teamは「消す楽しみ」を感じられる
――Bizer team導入の効果を教えてください。
栗林さん:
Excelと比べてレスポンスがすごく早くなりました。Excelだと、まずフォルダを開いてファイルを探すという作業が発生します。「誰も開いてないといいな」と思いながらクリックして、「良かった、誰も開いていない」と安心したら、担当タスクをフィルタリングする… こうした一つひとつの作業から一気に解放され、ストレスがなくなったことが大きいですね。「やろう」と思った時に思い通りに作業できることが本当に快適です。
もう1つがExcelよりも検索性に優れている点です。タスクレベルでも1,000以上あったので、Excelの一覧をチェックリストの粒度にするのは、入力の負荷から現実的ではありません。完了日などの入力の手間を省くために、Excelでも複数のタスクをまとめて入力しており、他の人の進捗は本人に聞かない限り分かりませんでした。
Bizer teamがExcel時代よりも細かい粒度に分解できた理由は、視覚的・直感的な操作のしやすさです。テンプレートを選んで入力して追加ボタンを押したらチェックリストができあがるという簡単さ。運用のストレスがなく他の人のタスクが可視化されるのは大きな進歩です。
前田さん:
着任した時からマニュアルは用意されていましたが、作業のたびに読み込むのが面倒だと感じていました。作業手順が変わった場合のマニュアルの更新も大変なので、当時の運用だと作業ミスや作業漏れが発生しかねないと感じていました。
Bizer teamはチェックリストで作業手順が分かるし、作って終わりではありません。作業を足したり分解したり、アジャイルのような進め方がメリットです。エビデンスとなる画像を残せるようになったのも大きなメリットです。作業の記録として、次回同じタスクを行う際の振り返りになりますし、二次チェックもしやすくなりました。「ここに注意」とコメントを入れることで、ミスや漏れの防止につながっています。Excel時代は個人の力でミスや漏れを担保していましたが、Bizer teamに頼れるようになりました。
栗林さん:
Excelでの管理は冷たい雰囲気がありましたが、Bizer teamになって温度を感じられるようになりました。毎週の朝会でAccessツールでExcelを読み込み、未完了のタスクを一覧化するのですが、メンバーには緊張感があったかもしれません。うっかり誰かがExcelを開いたままにして、Accessが読み込めずにエラーが出てみんなが待たされたこともあります。Excel時代は「入れ忘れはないか」「開きっぱなしにしていないか」というプレッシャーがありましたが、現在は「どんどん消していこう」「気づいたらタスクがない」という楽しさが伴うようになりました。
前田さん:
振り返ると、Bizer teamの導入時は「ツールを好きになってもらいたい」という意識で進めていました。毎日使うツールだから、楽しくないと嫌じゃないですか。みんなに好きになってもらうために、タスクやチェックリストの考え方を説明する際は「カレーの作り方」を例にして、「材料を買う」「野菜を切る」「煮込む」といった身近な題材を例にして説明していました。
Bizer teamを活かしてサービスのQCDを高めていきたい
――マネジメントの観点でBizer teamをどのように見られていますか?
栗林さん:
最初の頃は期限切れで赤くなったタスクや、ステータスが「未着手」のまま期限を迎えているタスクを確認していましたが、現在はチームリーダーが進捗管理を行っているので、マネジメント視点で毎日見ることはなくなっています。
前田さん:
タスク一覧で期限切れを確認し、カレンダーでスケジュールを見ています。期限が切れているタスクは担当者に声がけをして、抱えているタスクの優先順位のアドバイスをしています。2つのチームでチェックリストを作成しているので、例えば1次チェックが北川さん、2次は私だった場合に、北川さんのチームで業務が終わらない時はチェックリストの役割分担を変えるといった調整ができるようになりました。自身のチームだけでなく、横の状態が分かるようになったことが大きいですね。
――今後、Bizer teamに期待することはありますか?
北川さん:
Microsoft Teamsのチャット通知など、どんどん新機能が出て改善していただいているので、引き続きアグレッシブな開発を期待しています。
栗林さん:
効果も出ており、Bizer teamを導入して良かったと思っています。Bizer teamの設計思想は、日本のバックオフィスみんなに通じると思っており、可能性や潜在能力に期待しています。Bizer teamを活用するシェアードサービスが増えたらいいなと思っています。
我々も、Bizer teamを業務の中で120%活かしていきたいというのが目標です。部としても、もっと業務品質を上げて工数を短縮し、納期を早くしていきたい。これからもBizer teamを活かして、サービスのQCD(Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字で、業務改善の基本的な概念)を高めていきたいと考えています。