メニュー

外国人留学生がバイトに応募してきた【手続き注意編】

BON_yubiwosasu20150207154242_TP_V

外国人留学生が、アルバイトしたい!!と意気揚々と応募してきました。

翻訳等もお願いできるし、是非アルバイトできてほしい!!

でも日本人学生と同じように採用していいの??

ということで、外国人を採用する時に気をつけなければいけない点について専門家に解説していただきます。

そもそも外国人を自由に雇用することが出来るのか?

BON85_tebukurowonigiru20150207162632_TP_V

日本での在留資格があるからといって、日本人と同じように雇用できるわけではありません。日本の学校で何かを学ぶために在留している外国人の方は、学生としての「留学」という在留資格を持っているはずです。この在留資格は、日本で勉強するという活動が認められているのみで、就労することはできません。

許可された在留資格に応じた活動以外に、報酬を受ける活動を行う場合は、事前に資格外活動許可を受ける必要があります。資格外活動許可がない外国人の方をアルバイトなどで採用した場合、外国人の方は不法就労となり、採用した企業側も不法就労助長罪に問われる可能性が生じますので、必ず採用前に確認してください。

なお、資格外活動許可申請は、基本的には留学生本人が住居地を管轄する入国管理局に申請することになります。ただし、実際には、ほんとんどの大学、または専門学校などで手続きの取次を行ってもらえます。

法務省:資格外活動許可申請

資格外活動許可はOK!あとは何に気をつける?

BON_tokeiwomiru20150207155800_TP_V

資格外活動許可があって、是非ともアルバイトで働いてほしい!そうなったら次に気をつけるべき点としては雇用条件です。資格外活動許可では、就労に対し、様々な規制を行っています。本来の「留学」の活動に支障をきたさないためです。

<就業時間に制限あり>

1週間の就労可能時間 28時間以内

留学の在留資格をもって在留する者については,在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは,1日について8時間以内

<NGな仕事もあるよ!>

パチンコ店・麻雀店・ゲームセンター・キャバレー・スナックなどの風俗関連の業種の仕事をすることはできません。(キャバレーやスナックで、接客を行わない掃除だけの仕事であっても認められません。)

採用面接の時点で、気をつけておくとよいことは!?

BON_Whyzesu20150207160022_TP_V

外国人の方のパスポート在留カード資格外活動許可の有無学生カードにて本人確認、資格外活動許可の確認を行ってください。

特に在留カードでは、様々な情報が各員できます。

「留学」の場合、おもて面には「就労不可」と記載されていますが、うら面の「資格外活動許可欄」に、「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」と書かれてあれば、資格外活動許可を受けていることとなります。

在留カードサンプル(入国管理局)

スクリーンショット 2016-08-05 14.53.20

在留カードとは?|入国管理局

「在留カード」及び 「特別永住者証明書」の見方

また、外国人の方で、就業時間の制限を理解していない方もおられますので、その点を説明して、理解してもらってください。

採用が決まったら何か契約書をかわすべき??

bsBON85_siryoudon20150207123952

外国人の方とのコミュニケーションは、相手が日本語をある程度理解していたとしても難しいものです。単なる口約束だけでは、雇用側が期待する仕事をこなしてもらえないことも考えられます。

後々に、トラブルとならないためにも、雇用、業務、給与に関しての条件を記載した契約書を交わす方がよろしいでしょう。

ハローワークへの届け出もお忘れなく!

WEB86_bonniramiai20150207135448_TP_V

すべての事業主が、外国人労働者(アルバイト・パート含む)を雇い入れた場合、また離職した場合に、氏名・在留資格・在留期間などを確認し、ハローワークを通じて厚生労働大臣に届け出ることが義務付けられており、届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。

トラブル事例(知らず知らずのうちに不法就労の方を雇ってしまった場合など)

WEB86_bonpower20150207120628_TP_V

目先の忙しさから残業を行わせ、就業時間の制限を超えてしまう。雇用主は現実の忙しさから、外国人の方は断りにくさや、収入が確保できることから、なあなあで就業の時間が長くなり、制限を超えてしまう場合があります。

外国人の方は、明確に入管法違反となり、在週資格の取り消し、強制送還の対象となります。雇用主の配慮不足から、外国人の方の生活に大きく影響を与えてしまうこともあります。

ご注意ください。

渡邉 茂実

行政書士 わたなべ法務事務所 特定行政書士。レコード会社勤務、音楽教室経営を経て、2013年より行政書士わたなべ法務事務所を開業。著作権を中心とした知財関連法務、インターネット法務を得意分野として、様々な企業法務のサポートを行っています。