160カ国の国と地域にサービスを提供するグローバルカンパニー、ハイアールグループ。ハイアールジャパンセールス株式会社は、日本市場にフィットする冷蔵庫や洗濯機などの家庭用白物家電を販売しています。
今回は、人事総務部で総務・労務業務に関わる縄田さん、深澤さん、髙橋さんに取材し、Bizer teamの導入背景や成果をお伺いしました。
アウトソースしていた業務を巻き取る過程で、業務整理を実施しBizer teamを導入
――所属する組織体制を教えてください。
縄田さん:
私が人事総務部の部門長で、評価制度を含めた人事関連業務に携わっています。深澤は採用や総務の実務、髙橋が給与などの労務実務を担当しています。人事総務部には、他にも人事や総務に関わる管理職や、海外とのやり取りやシステム構築を行うメンバーもいます。
――Bizer teamを導入した経緯を教えてください。
縄田さん:
弊社は、4年前から労務・総務業務を外部にアウトソースしていました。社労士法人が給与計算できるように月次で勤怠を集計したり、従業員の勤怠システムに関する問い合わせに対応したり、入社や退職などの採用関連の手続きをしたりといった、判断不要の労務業務です。また、購買関連の請求書対応や携帯電話の管理など、細かい総務業務も依頼していました。
アウトソースしていただけなので、作業工程の改善や標準化はされていません。非効率的なやり方をしていたので、いずれテコ入れが必要だと感じていました。ところがある日、アウトソース先の企業が事業撤退することになり、外注していた業務をすべて巻き取ることになりました。そこで、Bizer teamを活用して業務の可視化や効率化を図ろうとしたんです。
Bizer teamを知ったのは、約2年前です。グループ会社がパーソルプロセス&テクノロジーにRPAのコンサルティングを依頼しており、その過程でBizer teamの名前が出ました。機能を確認したらとても良いサービスだったので、いつか使おうと考えていました。
――Bizer team導入の苦労を教えてください。
縄田さん:
業務を巻き取るために、髙橋に参加してもらって引き継ぎを始めました。でも、アウトソース先にマニュアルのようなものは一切なく、業務単位でメモ書きがある程度です。業務整理が全くできていない状態で、引き継ぎしながら業務も行い、Bizer teamの入力も同時並行するのは難しいと感じました。そこで、Bizer teamのコンサルティングサービスを活用することにしたんです。
深澤さん:
これまでは誰がどの業務を、どのくらいやっているのか見えないことが多かったので、便利なシステムだと感じていました。システムの更新もどんどん行われるので、進化が早く使い勝手の良いという感想です。
月に1.5~2人分かかっていた工数が半分に!業務の抜け漏れも大幅に削減
――Bizer team導入の成果はありましたか?
縄田さん:
まず、たくさんあった抜け漏れが少なくなりました。例えば入社手続きでは、工程が10以上あるのですが、どこかが抜けていたり、年に数回しか行わない業務が漏れていたりということが発生していました。抜け漏れが発生すると、その後のフォローに手がかかるので、工程を改善して抜け漏れを減らすだけでも、業務は大幅に効率化しました。アウトソーシングしていた頃は、月に1.5~2人分の工数がかかっていましたが、引き継いだら1名分に減りました。同時にグループ会社の業務を巻き取りましたが、工数は半分以下になっていますね。
一般的に、業務を任せられた企業は、リスクを恐れるために業務プロセスが保守的になります。たとえ無駄だと感じるプロセスがあったとしても、削減してリスクが発生するよりは、念のため遂行することを選択します。また、一つひとつの作業の意味や連続性が分からないため、担当者が変わるごとに属人化していきます。最近ではオンラインで会話ができるようになりましたが、アウトソーシング先は頻繁に行き来できる距離ではありませんでした。物理的な距離の遠さも影響して、無駄な作業が増えていったのだと思います。
髙橋さん:
引き継ぎの場で「この業務は何のためにあるのですか?」と聞いても、「前の担当者がやっていたのを引き継ぎました」という回答がとても多くて。引き継がれたファイルを見ても、保存ルールがなく担当者の名前で分類されており、一子相伝の技のようになっていました。業務が整理されていない状態で説明を聞くので、こちらも作業の意味を理解するのにとても苦労しました。2カ月かけてBizer teamのテンプレートを作成していきましたが、改善の余地はまだまだたくさん残っていると思います。
Bizer teamは、定型業務のある部署で業務の可視化や改善のツールとして活用可能
――仕事の進め方に変化はありましたか?
縄田さん:
人事総務部で仕事を依頼する場合は、メールでのやり取りを禁止して、全てBizer teamで行うようにしました。テンプレートにほぼ全ての業務があるので、できるだけ既存のテンプレートを使うようにしています。他部門から契約書の作成依頼や捺印依頼があった場合は、メールのタスク作成機能を活用しています。
深澤さん:
リマインダーを設定しているので、先のことをあれこれ考える必要がなくなりました。頭を空っぽにして、やらなくてはならない業務に集中できるのが魅力ですね。
――今後、目指していきたいことはなんですか?
髙橋さん:
チェックリストの改善は現在でも頻繁に行っています。例えば入社したらプライバシーマークの受講が必要なので、新たにチェックリストに盛り込んだり、試用期間終了後のレポートの請求方法をチェックリスト上で工夫したり…。チェックリストに作業が可視化されているので、作業の流れを説明しなくても、追加や削除の相談がしやすくなりました。
縄田さん:
現在は人事総務部だけですが、他の部署でも業務の可視化や改善のツールとして導入していけると考えています。例えば、営業アシスタントはスケジュールがある程度決まっていて、顧客や営業への申し送り事項もあるので、進捗管理や情報共有ツールとして使えそうです。営業アシスタント以外でも、リマインダーでタスクが自動的に作成される機能があるので、年間スケジュールを全部Bizer teamに入れておき、担当者が異動や退職しても引き継ぎの抜け漏れを防ぐ運用は、どこの部署でも使えると考えています。
メンバーの強みを掛け合わせて、弱点を補いながら成果を発揮するのが良いチーム
――今後、どんなチームにしていきたいですか?
髙橋さん:
居心地が良く、心理的安全性の高いチームです。意見や考えを言えないチームは、ミスや誤解が生まれます。Bizer teamがあれば、会話をしなくても仕事は進むと思うのですが、メンバーが隣にいても誰も声をかけないチームは嫌ですね。話しかけやすいチームでありたいです。
深澤さん:
20代前半の頃に思い描いていた仕事のできる人って、「この人がいなければできない」というスペシャリストで、とても憧れがありました。でも、年を重ねて自分の環境が変わって思うのは、スペシャリストがいるのはいいことですが、その人がいなくなったら総崩れになるようなチームは弱いということです。もちろん、スペシャリストが集まるチームはかっこいいと思うんですが、それよりもお互いにサポートできるチームでありたい。だからこそ、Bizer teamのようにみんなの業務が見えるシステムは、理想のチームづくりにマッチしています。髙橋の言う通り、誰かが困っていたら声を掛けられるチームが理想です。Bizer teamがあるから他の大事なことだったり雑談だったりのコミュニケーションができますね。
縄田さん:
チーム単位でも会社単位でも同じことが言えますが、一人ひとりの強みが発揮できる集団が理想です。例えば入試で難関大学にチャレンジする場合は、英語や数学など全ての科目で高い点数を取らなくてはなりませんが、会社やチームは入試とは異なります。メンバーが持つそれぞれの強みを掛け合わせて、お互いの弱点を補いながら高い成果を発揮するのが良いチームだと考えています。