株式会社キャスターは「リモートワークを当たり前にする」をミッションに、オンラインアシスタントを中心とするBPO事業を展開しています。
最近では、本社オフィスを廃止し登記上の本社をコミュニティ型ワークスペースへ移行したことも話題になりました。
今回は管理部の比嘉さん、土屋さんに「リモート環境」でインタビューしました。
リモートワークならではの課題が規模拡大で明確に
──御社は全社的にリモートワークという特徴的な働き方をされていますが、改めて会社やチームについてかんたんに教えてください。
比嘉さん:株式会社キャスターはオンラインアシスタント業務を中心に事業展開しています。最近では経理業務に特化した「CASTER BIZ accounting」、採用に特化した「CASTER BIZ recruiting」などの専門領域のサービスも展開しています。
また、HR事業としてエンジニア・デザイナー専門エージェント「Remote Style」や新しい働き方に特化した求人サイト「Reworker」の運営も行っています。
組織規模としては、正社員・契約社員が約200人、業務委託の方が約300人いますが、ほとんどの社員がフルリモートで働いています。今日一緒にインタビューを受ける土屋とも、実際に会ったことはありません。
一方、経理・労務を担当している社員は現在3名とスリムなチーム編成です。
他の会社さんと違うのは、事業の方で働いている業務委託の方々を自社の業務でも活用していますので、登録作業やチェック作業などのかんたんな業務を一部おまかせすることでリソースをまかなっています。
──一般的な会社とは異なる環境ですが、リモートワークならではの課題もあったのでしょうか?
比嘉さん:全社的にリモートで働いているので、あらゆるコミュニケーションがチャットを使って行われます。当然、業務や作業の依頼もチャットを通して行われており、依頼されたタスクの管理は、エクセルや各自のメモ、チャットツールのToDo機能などに散らばっている状態でした。
こういった管理方法は、特に会社の規模が大きくなってからはだんだん無理が生じてきて、タスクのやり忘れなども起こりやすくなっていたと思います。
リモートワークという環境で働いている以上、各自の仕事の状況の共有やフォロー体制などは一般的な会社以上に大事になってきます。
そういった意味では、作業の抜け漏れ防止、チャットの履歴検索の時間削減、業務の引き継ぎ、といった点で課題を感じていました。
そんな中、より良い方法を模索していたときにBizer teamを知りました。検討する中で、「チームでタスクを共有する」という部分や「業務プロセスを可視化する」といったコンセプトに共感できたので導入を決めました。
管理部 比嘉さん
Bizer teamを見るだけで作業ができることの重要性
──導入当初は、各ツールに散らばっていた情報をBizer teamに集約させる作業から始めたのですか?
比嘉さん:エクセルやスプレッドシートにまとまっているものもありましたが、各担当者の頭の中で処理していた部分も多かったので、まずはそれらをすべて書き出すところから始めました。
書き出してみると「そういえばあれもやってたよね」と、あとから作業を思い出すので、そうやって洗い出した手順を、Bizer teamタスク内の「チェックリスト」に登録していった形です。
あとは、ストレージに格納していたマニュアルへのリンクを貼ったりなど、使いやすさを心がけて少しずつ充実させていきました。
他の人へ業務を引き継ぐ際に、Bizer teamを見てもらうだけで作業ができるような状態にすることが、ひとつの方針だったと思います。直接教えるにも限界のある環境ですからね。
──なるほど、いかにツールで効率化するかは、御社の環境だとより大事になるわけですね。それでは具体的な利用シーンをいくつか教えていただけますか?
土屋さん:私は月次決算がメイン業務のひとつになっているのでご紹介します。
月次決算業務はルーチン業務ではあるのですが、毎回、その月固有の考慮事項が出てきます。Bizer teamはタスク内のチェックリストを階層構造にすることができるので、「当月特記事項」という親チェック項目を作り、そこに各事項を紐付ける形で書き出しています。
このような特記事項は、チャットで都度連絡を受けた時点でBizer teamに記録していきます。
また、そのあとのチェック項目では各事業部への確認作業をはじめ、業務手順を洗い出しています。
これにより作業の抜け漏れがなくなるのはもちろんのこと、他に人が見たときに、どこまで作業が進捗しているかもひと目で分かるようになりました。
月次決算のタスクは、最初は作業の大枠だけをチェックリストにしていたので、チェック項目は30個ほどでしたが、毎月改善を重ね、今では100個ほどになっています。
Bizer teamはチェック項目の追加や順番変更が手軽にできるので、PDCAサイクルを回しやすい構造になっているなと感じました。
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──ありがとうございます。月次決算業務はやり取りも多く発生しそうですが、チャットツールとBizer teamのコメント欄の切り分けはどのように行われてますか?
土屋さん:急ぎのやり取りはチャットツールを使ってます。逆に、今すぐ返信してもらう必要のないものや、チェックリストの内容に関するやり取りはBizer team上でコメントしています。
例えば、「この項目、まだチェックしてないけどやってる?」みたいなものですね。
明確にルールを決めているわけではありませんが、スピード感を大事にしたいものはチャット、タスクに関するピンポイントな指摘事項などはコメント機能といった切り分けでしょうか。
管理部 土屋さん
──コミュニケーションひとつとっても、ある程度のルール決めが必要なんですね。比嘉さんの利用シーンはいかがでしょう?
比嘉さん:主に給与計算や入社手続きを行っています。私一人で対応しているわけではなく、給与計算であれば、勤怠を締める人、時給計算のチェックをする人、など担当を分けています。
Bizer teamだとチェックリスト機能で業務全体の流れを細かい作業単位に分解した上で、それぞれに担当者を割り振ることができるので、「誰がどこまでやっているか」、「どこまで進んだら自分の番になるか」を常に確認しながら作業が進められるのが良いなと感じています。
また、月次決算と同じく毎月の特記事項がありますので、これらもBizer team上に都度書き残していくスタイルをとっています。
入社手続きについても同様に、手順をチェックリストに書き出しているわけですが、弊社では入社する人単位でタスクを作成しています。これから入社する人=進行中のタスク数になりますね。
現時点ですと、約60個ぐらいのタスクが進行中です。
──60個ですか!?それはすごい人数ですね。入社しすぎです(笑)
比嘉さん:はい(笑)おかげさまで多くの方に入社していただいています。多数の入社手続きを行っている中、「保険証はまだですか?」などの問い合わせを受けることもあるので、ひとりひとりタスク化してすぐに確認できるようにしています。
以前は入社手続きの管理もスプレッドシートで行っていましたが、誰でも見れる状態だったということもあり、間違って他の人の部分をチェックしてしまうことがありました。
Bizer teamだと、入社する人単位でタスクを作成し、また設定する「担当者」や「関係者」を限定することで、そのような操作ミスの可能性を極力減らすことができるので安心感があります。
土屋さん:あと、私は実は最近、個人用のタスク管理としてもBizer teamを使い始めました。
個人用のグループとタスクを作って、チェックリストに日毎に時系列で今日やることを書き出すんです。親チェック項目を「日付」にして、具体的な作業を紐づける形です。
もしその日中に終わらない作業があった場合に、Bizer teamのチェックリストであれば翌日の作業に回すことが簡単にできて使い勝手が良いです。
──それは新しい使い方ですね!カレンダー代わりにしていてユニークです。
土屋さん:はい、私にとってはカレンダーツールよりもこちらの方が使いやすいです。予定とチェックリストを兼用できるところが良いなと思いました。リマインダーを設定して通知してもらうことで、適切に予定を管理できますね。
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いかに代替可能性と再現可能性を確立するか
──具体的な利用シーンをお伺いしましたが、利用している中で実感されたBizer teamのメリットはどういったところでしょうか?
比嘉さん:Bizer teamでタスク化しておくことで頭の中から追い出せる、つまり忘れることができるというのは大きなメリットだと思います。
キャスターの初期メンバーとして経理業務に携わっていましたが、その当時は私のパソコンの周りは付箋だらけだったんですね。
付箋だと結局、あくまで自分で見るメモ書き程度のものなので、完全には忘れられないんです。
あと、これも在宅ワークならではですが、実はうちで猫を飼っておりまして。その猫がパソコンの前を通る度に付箋を剥がしてどこかに持っていってしまうという事件もおきてました(笑)
──そんなことがあったんですね!ある意味、Bizer teamに置き換わって1番安心な部分だったかもしれませんね(笑)
比嘉さん:もうひとつ。Bizer teamにタスクを書き出すことで、チームメンバーに共有されるのがやはり良かったです。
進捗確認やフォローができる点もそうですが、自分が今どれだけ仕事を抱えているかを知ってもらえるというのも良い変化でした。
これまでは、チャットツールで多くのタスクが振られてくる中でパンク気味になることもありましたが、各自の業務状況が見えるようになった今は、適切な業務のアサインなどのマネジメントがしやすくなったと思います。
──すばらしいですね!最後にチームとして心がけていることを教えてください。
土屋さん:弊社はリモートワークが大前提なので、当然ですが、普段はお互いの顔が見えません。もちろん、なにかあったときにはオンラインMTGを行いますが、もっと普段から、メンバーの状況が見えている状態を作りたいと考えています。
Bizer teamでタスクの手順を書き出し、それに沿って仕事を進めることで、リアルタイムにメンバーの状況を確認できます。
これはすなわち「顔が見えないようで見える状態」と思っていて、このような、なるべく同じ空間で働いているのと変わらない空気感を大事にしています。
逆にいうと、Bizer teamに登録せずに仕事をすることがないように気をつけています。誰にも共有せずに自分で仕事を抱えてしまうと、代替性がなくフォローがききません。
リモートワークに限りませんが、いかに代替可能性(別の人に替われる)と再現可能性(同じように業務できる)を確立するかは重要な要素です。
リモートワークという働き方は、ひとつの素晴らしい選択肢だと思っているので、今後もこういった思いを共有できるチームにしていきたいと思っています!