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社会保険料率の改定にご用心!平成29年度3月分の給与計算誤りにご注意ください。

平成29年3月分4月納付分)から全国健康保険協会協会けんぽ)の健康保険料率および介護保険料率改定されます。

全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入されている法人さまは、毎月の給与から天引きしている社会保険料健康保険料介護保険料)に影響しますのでご注意ください
※社会保険料額の変化に伴って、源泉所得税にも影響する場合もあります。

社会保険料は、「標準報酬月額 × 保険料率」で計算されます。平成29年3月分(4月納付分)以降の給与計算では、改定された「保険料率」で新たに計算し直す必要があります。

※健康保険料、介護保険料は社会保険料の一種です。
※介護保健料は40歳から負担する保険料です。

保険料率の改定内容

  • 健康保険料率が都道府県によって改定されている場合があります。

例:東京都の場合「9.96%」から「9.91%」に改定

健康保険料率都道府県によって異なります詳しくは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の「都道府県毎の保険料率(平成29年度保険料率)」をご参照ください。

  • 介護保険料率が全国一律引き上げられました。

介護保険料率は、「1.58%」から「1.65%」に改定

詳しくは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の「協会けんぽの介護保険料率について」をご参照ください。

改定された保険料率から社会保険料を計算(一例)

例えば、東京都に居住の月給30万円が支給されている30歳のAさんと、45歳のBさんを例に社会保険料を計算してみます。

Aさんの場合(東京都に居住、月額30万円、30歳)

東京都の標準月額表に当てはめて、健康保険料と厚生年金保険料を確認します。

健康保険料は、29,730円(うち、社員負担分は14,865円
厚生年金保険料は、54,546円(うち、社員負担分は27,273円

給与から天引きされる社員が負担する社会保険料は、42,138円となります。

Bさんの場合(東京都に居住、月額30万円、45歳)

東京都の標準月額表に当てはめて、健康保険料(+介護保険料)と厚生年金保険料を確認します。Bさんの場合は、年齢が40歳以上のため健康保険料に介護保険料が加算されます。


健康保険料介護保険料は、34,680円(うち、社員負担分は17,340円
厚生年金保険料は、54,546円(うち、社員負担分は27,273円

給与から天引きされる社員が負担する社会保険料は、44,613円となります。

【事例】社員の手取りはこう変わります!(東京都の場合)

今回の改定によって、同じ給与でも年齢によって手取りが増える場合と減る場合があります。東京都を例に、社員の給与の手取り額にどう影響するのか、その具体例をみてみましょう。

①30歳で給与30万円の場合

    • 2017年2月分までの健康保険料(社員負担分):14,940円
    • 2017年3月分からの健康保険料(社員負担分):14,865円
      →保険料が75円下がったので、その分手取りが増えた!

②40歳で給与30万円の場合
※40歳以上の被保険者は健康保険料に加え介護保険料が発生します。

    • 2017年2月分までの健康保険料+介護保険料(社員負担分):17,310円
    • 2017年3月分からの健康保険料+介護保険料(社員負担分):17,340円
      →保険料が30円上がったので、その分手取りが減ってしまった!

上記のように東京都の場合では、これまでと比べて若干ではありますが、年齢が40歳以上である場合には手取りが下がります。これを機に、ご自身の給与明細を見比べてみるのもいいかもしれません。

どのタイミングから新しい保険料率を適用するのか?

毎月の給与から控除している社会保険料をどの月の給与から控除しているのか(「翌月控除」または「当月控除」)で、新しい保険料を適用するタイミングが異なりますので注意が必要です。

一般的に多い「翌月控除」の場合は、4月に支給する給与から新しい社会保険料を適用します。「当期控除」の場合は、3月に支給する給与から新しい社会保険料を適用します。

社会保険料の改定で源泉所得税にも影響がある場合も

毎月の給与計算では、社会保険料と同様に「源泉所得税」も天引きしますが、この「源泉所得税」に今回の社会保険料の改定が、場合によって影響することがありますのでご注意ください。

源泉所得税は、社会保険料などを控除後(差し引いた後)の「給与所得」から求められるため、社会保険料(健康保険料、介護保険料)の控除額が変わると、それに連動して源泉所得税額が変わる場合があります。

社会保険料と同様に、3月分(4月納付分)から全社員の「源泉所得税」についても「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめ直して、全社員分の天引き額を再確認する必要があります。