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これでスッキリ!償却資産申告書の書き方をわかりやすく解説します

年末は何だかいろいろな書類が役所から郵送されてきて、年末調整関係の書類は何とか片づけることができたけど、市区町村から郵送された「償却資産申告書」の封筒。これっていったい何ですか?

償却資産申告書(償却資産税)とは?[提出期限は1月31日まで]

相談者
年末年始はやたらと役所から封筒が届いて、とにかくあわただしかったですね。

 

村田税理士
年末調整で従業員からのマイナンバーの回収とか、大変なことも多かったんじゃないですか?

 

相談者
はい、何とか年末調整のほうは一通り終わったのですが、市区町村役所(東京23区の場合は都税事務所)​から届いた「償却資産申告書」という封筒、これがさっぱり分からなくて。

 

村田税理士
こちらは1月末までに提出するもの(提出期限が1月31日まで)ですね。まだ間に合いますよ。

 

相談者
これも従業員から書類を集める系のやつですか?

 

村田税理士
いえ、従業員から書類を集める必要はありません。

会社が事業に使っている固定資産に課税される税金を「償却資産税」といいますが、「償却資産申告書」は市区町村が「償却資産税」を計算するために、会社が償却資産税の対象となる固定資産を申告するためのものです。

「償却資産申告書」を市区町村へ提出すると、申告した内容に基づいて、後に市区町村が償却資産税の納税通知をすることになります。

 

相談者
え、固定資産を持っていると税金がかかるんですか?

 

 

償却資産税がかかる固定資産とは?

村田税理士
そうなんです。「事業所がある=行政サービスを受けているだろう」ということで、課税される法人税の均等割り(年間7万円、資本金により異なる)と同様の考え方で、「固定資産設備を持っている=行政からサービスを受けているだろう」という流れで課税されるものですね。

 

相談者
嫌な流れですね・・・。会社で所有しているこの軽自動車、自動車税も払っているのに償却資産税とかいうのも支払わなきゃいけないんですか?

 

村田税理士
いいえ、自動車税を払っている「自動車」や、固定資産税を支払っている「土地」や「建物」は、今回の償却資産の申告の対象外です。固定資産であっても償却資産の対象になるものと対象外のものがあります。

 

償却資産の対象となる固定資産

償却資産から除かれる固定資産

 

相談者
なるほど、アプリとかの無形固定資産も償却資産税の対象外なんですね。これはありがたいです。

 

 

20万円未満の固定資産でも一括償却資産(3年均等償却)としたものは対象外

相談者
そうするとウチの会社では償却資産税の申告対象はパソコンくらいですね。そういえば、通常だったら固定資産にして数年にわたって減価償却しなければいけないのだけど、「中小企業の少額減価償却制度」を利用して、パソコン買ったときに30万円未満だったので「即時償却」で全額経費にしました。だから、これはもう固定資産ではないと判断して申告しなくても良いですよね?

 

【参考コラム】
「中小企業の少額減価償却制度の即時償却」については、以下をご参照ください。
【節税対策】ちょっと待って!その固定資産(パソコンなど)、全額経費にできるかも!?中小企業の少額減価償却制度とは?

 

村田税理士
いいえ。30万円未満の固定資産を取得時に全額経費にできる「即時償却」は、国税で中小企業に認められる特例ですが、償却資産税は地方税なので中小企業の特例は関係ないのです。なので、償却資産税に該当する固定資産として申告する必要があります。

 

相談者
償却資産税には中小企業への優遇はないということですね。何か償却資産税を節税できる方法はないのですか?

 

村田税理士
20万円未満の固定資産を3年間(36か月)で償却できる「一括償却」を行った場合は償却資産の申告の対象外とすることができます。

 

国税庁タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし

1 減価償却の概要

2 取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

 

村田税理士
あと、申告した償却資産の課税標準額の総額が150万円未満の場合、償却資産税は課税されませんので、パソコン数台くらいであれば償却資産の課税はありません。

 

相談者
ウチの会社は、あとはこの賃貸オフィスの内装工事費用があるから150万円は超えそうです。

 

 

償却資産申告書の書き方

相談者
この償却資産申告書、結構記載する箇所が多いですね。

 

村田税理士
1つずつ、見ていきましょう。まずは1枚目の上の部分、会社情報の記入ですね。

 

1枚目の記載方法

償却資産申告書には、平成28年度以降から法人マイナンバーの記載が必要です。

(※)法人マイナンバーを記載
法人マイナンバーが不明な場合は、以下の国税庁サイトで検索できます。
国税庁:法人番号公表サイト

 

相談者
ここは、簡単に記入できそうです。問題は、このページ下段のところですね。金額とか件数とか、会計ソフトのどの数字を記載すればよいのでしょうか。

 

 

村田税理士
ここには償却資産として申告するものを、機械や工具器具備品などの種類ごとに集計して記載しますので、先に2枚目の「種類別明細書(増加資産・全資産用)」の用紙に、2016年に取得した償却資産を記入していき、それらを集計して1枚目に記入して完成。という流れです。

 

2枚目の記載方法
村田税理士
まずは、会計ソフトに登録した「固定資産台帳」から、2016年に取得した固定資産の情報を出力してみましょう。

 

相談者
ウチは3月決算ですけど、決算期に関係なく2016年1~12月に取得した固定資産を申告するのですね。

 

村田税理士
はい、決算期は関係ないですね。ここから、先述のソフトウェアや自動車などの償却資産に該当しないものを除外します。

 

<会計ソフトから固定資産台帳の情報をCVSなどで出力>
償却資産に該当しないものを除外

 

相談者
あと、20万円未満の「一括償却」の固定資産も除外ですね。

 

村田税理士
はい。そしたら償却資産として申告する残りの3つの資産をそれぞれ上記の箇所に記入していきます。

 

(b)の資産の種類は下記の番号で記入

 

村田税理士
1点、注意すべきは30万円未満の「即時償却資産」です。会計ソフトでは償却方法で「即時償却」を選択すると耐用年数が1年となると思いますが、償却資産申告書に記載する耐用年数は、即時償却をしなかった場合の本来の耐用年数を記載します。

 

 

相談者
なるほど、パソコンであれば4年ですね。

 

相談者
この「種類別明細書(増加資産・全資産用)」の記載を、資産の種類ごとにさきほどの1枚目のところに記載すればOKですね。

 

 

村田税理士
はい、以上で償却資産申告書の作成は終了です。

 

 

償却資産種類別明細書(減少資産用)とは?

相談者
封筒に一緒に入っていた「種類別明細書(減少資産用)」という用紙は?

 

村田税理士
前年度に減少した償却資産があったときに記載します。御社では今年に処分・売却して減少した償却資産はないので、この用紙は使用しません。

 

相談者
なるほど、償却資産申告書の記載のイメージがつきました。あとこれ、いつ償却資産税が課税されるのですか

 

村田税理士
この償却資産申告書の提出を元に税額を算出し、5月に納税額が通知され、6月、9月、12月、2月の年4回で分割納付となります。

 

相談者
そうなんですね。わかりました。ありがとうございます。とりあえず、償却資産申告書を1月末までに忘れずに申告します。

 

 

 

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村田 光平 むらた こうへい

村田 光平

公認会計士、税理士 、行政書士 、公益社団法人日本監査役協会会員。2005年に中央青山監査法人、2007年に京都監査法人東京事務所を経て、2013年より税理士事務所を開業。年間50社の会社設立手続を行い、法務・税務の両面からサポートを行うスタートアップ企業のエキスパート。