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月末が休日。支払いは前倒し?後ろ倒し?

今月は資金繰りがちょっと厳しくて、売上が無事入金されなかったら払うものも払えない、、せめて社会保険料の引落しがもう少し遅ければ。。

そういえば・・今月は月末が休日。その場合社会保険料は休日明けに引落しされるの?休日前に支払うものと、休日後に支払うものと、どういうルールになっているのか、税理士さんに聞いてみた!

月末が休日。契約書で支払い条件が月末の場合はどうなる?

相談者
今月は資金繰りが厳しくて、、銀行、100万円くらいなら貸してくれませんかね?月末の支払いが終わったらすぐ返済しますので。。
村田税理士
いやいや、そんな1週間で銀行はお金、貸してくれませんよ。
相談者
そうですか、、いや、計算上はギリギリセーフなんですけど、たまに売上の入金が少し遅れるところがあるんですよね。何度か注意してもシレっと「いや、期日どおりに支払いしてますよ。」っていう常習犯でして。
村田税理士
先方との支払い条件はどうなっていますか?
相談者
この契約書ですね、「毎月月末締翌月末払い」ってなってますよね。
村田税理士
この支払い条件ですと、今月末は休日なので休日明けの8月1日が支払い期日になりますね。民法にこんな条文があります。

第142条(期間の満了の特例)

期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和23年法律第178号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

※通常は銀行振込で取引するため、月末が休日の場合は翌月の「銀行営業日」と考えておくとよい。

相談者
むむ、末日が休日の場合、その翌日=週明け月曜までが支払期日になるってことですか?
村田税理士
はい、なので取引先の言うとおりで、ちゃんと期日どおりに支払っていることになりますね。
相談者
待てよ。ということは逆にウチから他社への支払いも月末休日だから8月1日に支払えばいいって事ですね。月末までに支払ってくれる取引先もあるし、民法の条文を知ったおかげでなんかちょっと得した気分になりますね!
村田税理士
注意しないといけないのは、相手からの請求書の支払期日が月末前の最後の平日「7月29日」となっていたり、契約書の文言が「毎月月末締翌月末まで支払い」となっている場合とかですね。この場合ですと、月末前の最後の平日までに支払いをする必要があります。

相談者
なるほど、、8月1日に支払うのも取引先への印象も悪いしやっぱり7月中に支払うか。せめて社会保険料が8月1日払いだったら今月末の資金繰りももっとラクなんですけどね。

月末が休日の場合、社会保険料や税金などの支払いはどうなる?

村田税理士
お役所系は民法どおりなので、月末休日であれば翌月第一営業日が支払期日です。法人税などの申告・納税も月末休日であれば翌月第一営業日までが期日となりますね。あとは法人クレジットカードの引落しであったり銀行借入金の返済も、私の知る限りは民法どおり翌月第一営業日に引落しになりますね。

社会保険料納付書

※社会保険料納付書。6月分の納付期日は8月1日になっている。

相談者
なるほど、それであれば月末の資金繰りは大丈夫そうです。今まで入金日とか引落し日の法則性がわからずに混乱していましたが、これでスッキリしました。
村田税理士
これで資金繰り計画もより正確にできますね。あと、そうは言っても取引先の経理のミスなどできちんと月末に売上が入金されない場合もありますので、手元に余裕資金があったほうが気持ちも余裕が出ますし、今後のために創業融資も申し込んでみるとよいですね。

創業融資の攻略術を税理士さんに聞いてみた

https://bizer.jp/archives/788

村田 光平

公認会計士、税理士 、行政書士 、公益社団法人日本監査役協会会員。2005年に中央青山監査法人、2007年に京都監査法人東京事務所を経て、2013年より税理士事務所を開業。年間50社の会社設立手続を行い、法務・税務の両面からサポートを行うスタートアップ企業のエキスパート。