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7月1日〜10日中に申請【算定基礎届】をお忘れなく!

労働保険の年度更新の手続きを行っていたら・・年金事務所からも1通の封筒が・・・!

年に一度の「算定基礎届」の手続きのご案内です。

「え、何それ!」「それって何をやらなきゃいけないの・・?」と、戸惑う方も多いはず。しかも申請期間はとっても短い!

7月に入って慌てないためにも「算定基礎届」に関して、専門家にわかりやすく解説してもらいましょう!

※労働保険の年度更新の手続きに関してはこちらのコラムもご参照ください。

届いた書類にビクビク? 7月10日〆切【労働保険の年度更新】手続きをお忘れなく!

相談者
年金事務所から茶色い封筒が届いて、「算定基礎届」と書かれていたのですが、これは何ですか?
榊社労士
御社は社会保険に加入してますか?
相談者
はい、昨年法人化したのをきっかけに加入しました。
榊社労士
そうしますと、社会保険に加入したとき、代表者の方や社員の皆さんの給与の額を、加入申請するための書類に書きませんでしたか
相談者
ええと、そうですね、確か書いた気がします。
榊社労士
その書いて頂いた給与額に基づいて、社会保険料が決定されるというルールになっています。社会保険料とは、すなわち、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料のことです。
相談者
給与計算は顧問税理士の先生にお任せしていたので、細かいことはあまり気にしていませんでしたが、給与から天引される社会保険料の額はそうやって決まっていたのですね
榊社労士
はい、もう少し詳しく申し上げると、社会保険料を計算するための表のようなものがあって、給与額を一定のレンジごとに区切って等級化し、この等級に該当したら保険料いくら、というような仕組みになっています。
この等級化された給与額のことを「標準報酬月額」と呼んでおり、標準報酬月額に法令で定められたパーセンテージを乗じることで、具体的な保険料が算出されるのです。

(日本年金機構ホームページ参照)保険料額表はこちら

相談者
なるほどですね。何となくですが、イメージを持つことができました。ですが、ちょっと気になることがあります。当社でもこの4月に昇給がありましたし、当時見込んでいたよりも残業が増え、残業代がかなり多く付いている社員もいます。社会保険に加入したときに年金事務所に申告した報酬とズレが生じています。このあたりのギャップが問題にならないか、ふと心配になりました。
榊社労士
前置きが長くなってしまいましたが、それを解消する手続きが、算定基礎届なのです。
毎年4月、5月、6月に支払われた報酬額を7月1日から7月10日までの間に年金事務所へ報告し、年金事務所はこれに基づいて新たな標準報酬月額を決定します。決定された新しい標準報酬月額は、9月から適用となり、保険料が実態に見合った水準に訂正されるというイメージです。
相談者
なるほどですね。算定基礎届という書類の意味が良く分かりました。既に社員の名前などは印字されているようでしたので、ここに4月、5月、6月の給与額を書き込んでいけば良いのですね。
榊社労士
その通りです。ただし、算定基礎届に記入するのは、17日以上出勤した月の報酬が対象となりますので、休職や欠勤などで出勤日が少なかった月は新しい標準報酬月額の計算からは除外されますので、この点は気を付けて下さい。
それから、少し話が逸れてしまいますが、ここでもう1つ覚えておいて頂きたいのは、年度の途中であっても大幅に給与額のアップダウンがあった場合など、具体的には2等級以上の標準報酬月額の変動がある場合には、「月額変更届」という書類を提出し、算定基礎届を待たずに標準報酬月額の変更が行われる場合もあるということです。月額変更届の提出漏れは、実務でも非常に多いです。
相談者
分かりました。あと、算定基礎届の封筒の中に「総括表」「総括表附表」という紙が入っていて、アンケートみたいな書類のようですが、こちらも回答しなければならないのでしょうか
榊社労士
はい、これらも算定基礎届に添えて年金事務所へ提出しなければならないものになっていますので、合わせてご対応下さい。自社の社員数や給与体系などに関するものですので、難しい内容ではないかと思います。
相談者
算定基礎届で何をすれば良いかが良く分かりました。ありがとうございました。

以上となります。【算定基礎届】の届出期間は7月1日〜7月10日と短いため、今からスケジュールに入れておきましょう!

また、7月10日締め切りの【労働保険の年度更新】手続きもあわせて確認してくださいね。

※労働保険の年度更新の手続きに関してはこちらのコラムもご参照ください。

届いた書類にビクビク? 7月10日〆切【労働保険の年度更新】手続きをお忘れなく!

榊 裕葵

ポライト社会保険労務士法人 社会保険労務士。上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務後、社会保険労務士として独立。勤務時代、常に経営者の側で仕事をしてきた経験も活かしながら、スタートアップ企業の労務管理体制の構築や、助成金申請の支援を積極的に行っている。