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LINEも近々?ベンチャーの夢、上場!創業株式を従業員に譲渡する場合の注意点!

LINEももうすぐ上場するなんてウワサだし、やっぱり上場はベンチャーの夢だよね!

創業メンバーのみんなにも夢に向かって一緒に走って欲しいから、ストックオプションのことを税理士に相談しに行ったら、、、え!とりあえず50万円くらいはかかる!?

創業したばかりなのでもっとこう手軽に夢を分かち合える方法はないものか。

うーん。創業者の株をみんなにタダで譲渡する?

はい!創業株式譲渡の手続きと注意点について税理士が解説します。

相談者
最近はまた上場も多くなってきて、LINEもいよいよ上場するってウワサもありますね
村田税理士
まだまだ事業拡大のための資金需要もありそうですからね。
相談者
うちも上場目指そうって言ってストックオプションを弁護士に相談しに行ったら、、
村田税理士
けっこう費用かかりますよ
相談者
はい、登記の申請費用だったり細かい条件の設定だったり、50万円くらいは最低限かかるって言われて、、もっと気軽にどの会社でもやっているイメージだったんですけどね。
村田税理士
ベンチャー企業でよくあるのは、設立時に創業メンバーで共同出資するケースだったり、後から入るメンバーには創業株主が自分の株を売買したり無償で譲渡したり
相談者
メンバーにお金を出して株を買ってもらうのも微妙なので、無償で譲渡できるのであればそれがいいですけど、何か注意点とかありますよね?
村田税理士
はい、株式を無償譲渡するときの手続きや、税務上の注意点について解説しますね

株式を無償譲渡するときの手続き

村田税理士
まず、御社では「株式の譲渡制限」があると思います
相談者
え、うちの株は譲渡できないのですか?
村田税理士
譲渡禁止ではなく、譲渡の制限です。御社の登記簿を見ると、
株式の譲渡制限に関する規定:当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。
とありますように、上場会社の株のように自由に売買できず、株主総会での承認が必要となります(※)
※会社により取締役会など、承認機関が異なる場合もあります。
相談者
単純に私と従業員とで譲渡の契約をするだけではダメで、株主総会の承認も必要なのですね
村田税理士
はい、あとは株主総会の後に会社から譲渡の承認を通知するなど、一連の流れはBizerのダンドリをご参照ください。
相談者
おお!譲渡の契約書フォーマットもあって便利。株主名簿も変更しないといけないといけないですね。これは手続きが漏れなくて便利ですね!

株式を譲渡する場合の税金について

相談者
しかし、ホントにタダで株を従業員に渡してしまって良いのかしら。贈与税とか所得税とか大丈夫ですか?うっかり従業員に税金かかってしまうとかが心配です
村田税理士
まず、個人から個人に株をタダで譲渡する場合は「贈与税」が適用されますが、受け取った側が年間110万円以下の贈与であれば贈与税は課税されません
相談者
従業員が他に贈与を受けていないか、注意が必要ですね
ところでウチの株はいくらになるんでしょうか?設立した時は1株1万円でしたけど、1年経って決算も業績も良かったので1万円よりも高くなるのかなと。
村田税理士
贈与税の計算では、開業後3年未満の会社等の株式の評価は財産評価基本通達189-4にて、基本的には「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価する。」とされています。
土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価
相談者
よくベンチャーキャピタルとかが出資する時に将来の事業計画とかから株価を算定していたりしますが、単純に決算書の純資産を使って大丈夫なのですか?
村田税理士
少しややこしいですが、ベンチャーキャピタルが出資するときの「企業価値の評価」≠「税務上の株価」です。経済産業省が出しているレポート「株式の活用」も目を通しておくと良いです。
「株式の活用」はこちら
相談者
P13のところですね、「課税判断の基準となる税務上の時価」は、通常、「財産評価基本通達」によって算定されます。」
相談者
今回の私の株を従業員に譲渡するケースでは、1株あたり純資産で株価を計算すれば大丈夫そうですね。これで年間110万円を超えなければ税金はかからないということになりますね。
村田税理士
はい、御社のケースではこれでOKです。会社の状況によっては例えば重要な訴訟を受けているなど、単純に純資産だけでは株価の評価ができない場合もありますので、専門家に相談しながら進めていくのがよいですね。

ベンチャーキャピタルからの出資の税金について

相談者
将来、うちがベンチャーキャピタルから出資を受ける場合は高い株価で出資してもらうと思いますが、そうすると1株あたり純資産よりも高くなるので税金がかかっちゃうんですか
村田税理士
ベンチャーキャピタルからの出資は、通常は「普通株式」ではなく、「種類株式」といって配当を優先的にもらえたり、万が一解散した時に残余財産が優先的に分配されたりといった形で、普通株式とは条件が異なる株式を発行することで税務リスクのない形での出資としています。
相談者
なるほど、いろんな専門テクニックがあるのですね。ベンチャーキャピタルの出資も事前に専門家に相談したほうが良さそうですね。

以上となります。Bizerでは専門家に気軽にご相談できますので、ぜひお困りの際はご利用ください。

村田 光平

公認会計士、税理士 、行政書士 、公益社団法人日本監査役協会会員。2005年に中央青山監査法人、2007年に京都監査法人東京事務所を経て、2013年より税理士事務所を開業。年間50社の会社設立手続を行い、法務・税務の両面からサポートを行うスタートアップ企業のエキスパート。