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商標登録はいつ・どんなときにすればいい? パクられた!侵害で訴えられた!で後悔しない危険対策。

商標は、いつ、どんなタイミングで登録するのがベストなのでしょうか?
※商標とは、自社商品・サービスと他社商品・サービスとを区別するための目印となるものです。

商標は、現時点で使用していなくても(未使用であっても)、要件を満たせば登録することができます。この要件に「いつまでに商標を登録しなければならない」というルールはありません。

一方で、商標登録するには数万円以上の費用がかかります。費用面を考えると、「とりあえず商標登録しておくか」というわけにもいかず・・・。資金繰りを工夫する必要のある経営者であれば商標登録のタイミングを悩みますよね。

そこで、資金繰りに悩む経営者のみなさまのために、商標登録するタイミングを専門家の弁理士さんに教えていただきました。

商標登録はできるだけ早く検討すべき!?いつ・どんなタイミングがよいのか?

商標登録するのは、いつ・どんなタイミングがよいのか?

「商品やサービスをリリースする前?」
「それとも、ある程度ブランドとして認知されてから?」

誰にでも当てはまる正解はありませんが、

商標登録に必要な費用 < 商標登録により得られるメリット

と感じられる状況になれば、商標登録を検討すべきです。

商標登録しないリスクとは?

登録せずに商標を使用すると、さまざまなリスクを負うことを理解してください。実際に商標権侵害となると、下記のようなダメージを被る可能性があるのです。
<商標権侵害の責任を負った場合のリスク(一例)>

    • その商標を使用して商品を製造・販売したり、サービスを提供したりできなくなる。
    • 商標権者に損害賠償金を支払わなければならなくなる。
    • 10年以下の懲役、又は/及び、1,000万円以下の罰金に処される。
      法人の場合は、侵害者だけでなく、法人に対しても最大で3億円もの罰金刑が科される。

仮に商標登録が無料ならば、このようなリスクを回避するために、できるだけ早く商標登録しようとなるはずです。

商標登録にかかる費用は?

特許事務所に依頼した場合は、総額で数万円~十数万円程度(1年あたり数千円~1万数千円程度)の費用が必要となるケースが多いようです。

なぜ早く商標登録すべきなのか?

ここまでの説明を読んで「それなら商標登録しなくちゃ!」と思ったならば、できるだけ早く登録すべきです。

先に出願した者が有利

商標法のルールでは、原則として先に特許庁へ商標登録出願をした者に、商標権という力を与えることになっています。争いになった場合、「私のほうが先にその商標を使っていた!」というだけでは通用しません。

商標登録には6~11ヶ月の期間が必要

また、商標登録には特許庁へ願書(書類)を提出してから平均で6~11ヶ月程かかるので、やっかいな状況が生じる前に先んじて登録しておくのが賢い選択となります。

同一・類似の商標がある場合は対策を考える必要あり

特許事務所に商標調査を依頼すると、実は使用している商標が他者の登録商標と同じか似ているものであると発覚することがあります。

この場合、何もしなければその商標を登録できないだけでなく、商標を使用し続けると訴えられる危険があるので、経営者として、例えば下記のような判断を迅速に行わなければなりません。

    • 商標(ネーミングやロゴ)を変更する。
    • その商標登録を取消・無効にすべく、特許庁へ審判請求する。
    • 商標権者に使用を許諾(ライセンス)してもらう。

判断を後回しにすればするほど、経営に与えるダメージが大きくなる可能性が高くなってしまいます。この点からも、お金の問題がないのであれば商標登録の検討は早いに越したことはないと言えます

遅くともどのような状況になったら商標登録を検討したほうがよいのか?

「1年あたり数千円~1万数千円程度とはいっても、悩むな・・・」というのであれば、以下のタイミングで商標登録を検討することをオススメします。

<検討タイミング>
1)商品・サービスを提供していく目途(見込み)がたったとき
2)競合他社でも使用されていることが発覚したとき

1)商品・サービスを提供していく目途(見込み)がたったとき

登録を検討する商標を「ABC」とした場合、「ABC」ブランドを使用して、商品・サービスを提供していく目途がたったときに商標登録を検討することをオススメします。

なぜなら、その商品・サービスが売れ、ABC」がさまざまな人の目に触れる機会が多くなると「ABC」が真似されるリスクが高くなるからです「ABC」のブランド力・信用に『ただ乗り』して儲けようという輩が出てくるわけですね。

模倣リスクを回避して、お客様・取引先を守るためにも商標登録を!!

『ただ乗り』商品・サービスが出てきた場合は、一刻も早く差し止める必要があります。このとき、「ABC」を商標登録していれば、他人が勝手に「ABC」を使用する行為を差し止めることができます。

これは、「ABC」ブランドのファンであるお客様を守ることにもなるのです。

また、前述したように商標登録は原則「早い者勝ち」なので、横取り的に「ABC」を商標登録されてしまうリスクがあることも考えてください

他人に登録されてしまったら、ようやく「ABC」を使用した商品・サービスが認知されて売れてきたのに、突然「商標権侵害だ!」と訴えられて「ABC」が使用できなくなってしまうかもしれないのです。

「ABC」が使用できなくなると、取引先(ex.代理店や小売店)がいる場合、彼らに迷惑をかけてしまうことにもなるでしょう。

2)競合他社でも使用されていることが発覚したとき

登録を検討する商標を「ABC」とした場合、「ABC」を使用している競業他社を見つけたときに商標登録を検討することをオススメします。競合他社に先に商標登録されてしまってはやっかいなので、すぐに商標登録したほうがよいでしょう。

そう、商標登録は原則「早い者勝ち」で、「私が先に使用していたから私に正当な権利があるはずだは原則通用しない」のです。

普通名称化すると商標登録できなくなる!?

「ABC」を使用する競合他社が増えると、「ABC」が普通名称化してしまうおそれがあることにも注意してください
※普通名称化するとは、取引界で一般的な名称と認識されるようになることをいいます。

普通名称化してしまうと、その言葉を最初に考えて使用し続けた本人であっても「ABC」を商標登録できなくなってしまうのです。

商標登録できなければ「ABC」を独占使用できないので、他人に自由に使用されてしまいます。「ABC」を自社ブランドとして守りたいならば、普通名称化する前に商標登録しましょう。

まとめ

  • 商標登録は早い者勝ち!
    「商標登録に必要な費用 < 商標登録により得られるメリット」と感じられる状況ならば、できるだけ早く商標登録すべきです。
  • 商標が認知されてくるにつれ、模倣リスクや普通名称化リスクが高まります。
    遅くとも認知され始めたら商標登録すべきか検討しましょう。

【参考コラム】

「商標登録により得られるメリット」については、以下のコラムをご参照ください。
まだ商標登録しなくていいと思ってるの?そんなんじゃ他の人のところにいっちゃうんだからね!

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河合 光一

弁理士。早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻(MBA)修了。 JAZY国際特許事務所にて、年間1,000件を超える商標登録出願に携わる。 「商標権はビジネスに活用できてこそ取得する価値がある」を信条とし、費用対効果を考えた提案をしている。