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副業などで2ヶ所以上(複数)の会社から給与をもらう場合の注意点(2) ー給与計算(源泉所得税)編

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前回のコラム「副業などで2ヶ所以上(複数)の会社から給与をもらう場合の注意点(1) ー社会保険編」で、副業などで会社勤めをしながら会社の役員を兼務したり、会社員と契約社員を掛け持ちしたりするなどで、2ヶ所以上複数から給与所得がある場合は、次の4つの手続きなどで注意するべき点があるというお話でした。

  1. 社会保険の手続き
  2. 毎月の給料から天引きする源泉所得税の計算
  3. 年末調整・確定申告の手続き
  4. 住民税の特別徴収について

引き続き、本コラムでは、注意が必要な「2. 毎月の給料から天引きする源泉所得税の計算」について、詳しく学んでいきましょう。

 

副業で注意すべき給与計算(源泉所得税)のポイント

 

相談者
今の会社で時短勤務しながら、副業で自分の会社を起業しました。2つの会社から給与を受け取ることになるのですが、給与計算とか年末調整確定申告などいろいろと教えてもらえますか?
村田税理士
まずは、給与計算について。毎月の給与から天引きされる源泉所得税から説明しますね。「103万円の壁」と「月額賃金88,000円の壁」といわれる所得税が課税されない収入の範囲があります。

 

 

103万円の壁とは?

年収103万円以下の人は、所得税が課税されないというものです。

 

月額賃金88,000円の壁とは?

毎月の給与が月額88,000円未満(※)の場合は、源泉所得税(会社が給与から天引きする所得税)がありません。
※交通費は含まない。

 

相談者
そういえば、学生時代のアルバイトは月々のアルバイト代が5万円程度で、年収103万円以下だったので、社会保険料も源泉所得税も給与から控除(天引き)されませんでした。「103万円の壁」にも「月額賃金88,000円の壁」にも該当しなかったので、全額給与を振り込んでもらっていた記憶があります。
村田税理士
この給与計算で気づいてもらいたい点は、
例えば、2か所から毎月8万円の給与をもらっていた場合

8万円✕2か所✕12か月=年収192万円

ということになり、所得税が課税されるはずです。

でも、それぞれの会社で毎月の給与計算をしていると、「年収103万円の壁」にも「月額賃金88,000円の壁」にも該当しないので、所得税が課税(源泉徴収)されないっていうおかしなことになりますよね

相談者
ホントは、2ヶ所の給与を合算すると月収16万円になるので、所得税の課税対象となるはずなのに、それぞれの会社で給与計算をすると、他社の給与は考慮されないから所得税の課税対象にならないですね。
村田税理士
はい、なので、2ヶ所以上の複数の会社から給与をもらう場合は、特別な給与計算をしてもらう必要があります。年間103万円の所得税が課税されない範囲で2重計算されないように、副業先の会社に他の会社からも給与をもらっていることを伝える必要があります(起業している場合は、自分の役員報酬の給与計算で注意することがあります)。
 

複数の会社から給与をもらっている場合の給与計算の手続きは?

 

村田税理士
2ヶ所以上の複数の会社から給与をもらう場合、特別な給与計算をしてもらう必要があるという話でしたよね。

具体的には、会社の給与計算で源泉徴収する(天引きする)所得税を算出する際に、以下の対応をしてもらう必要があります。

給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」にて

(1)メインで給与をもらう会社の給与計算は、
  「甲欄」という列の所得税率で給与計算

(2)その他の会社からの給与計算は、
  「乙欄」という列の所得税率で給与計算

というように、異なる税率で給与計算をしてもらいます。

 

【参考】
国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)(月額表)

 

 

給与所得の源泉徴収税額表の見方

例えば、今の会社(メインの会社)で月25万円副業で起業した自分の会社で月10万円の給与をもらっていて、扶養親族等がいない場合で説明します。
※説明を簡潔にするため、社会保険料の計算については、今回の説明では省略。

<給与所得の源泉徴収税額表—今の会社(メインの会社)>

 

<給与所得の源泉徴収税額表—副業で起業した自分の会社(その他の会社)>

それぞれの会社の源泉所得税は、

  • 今の会社(メインの会社):6,530円
  • 副業で起業した自分の会社:3,600円

となります。

 

相談者
なるほど、「甲欄」はメインとなる会社で給与計算するときに使用する欄で、「甲欄」の場合は月額88,000円の壁ともいわれる源泉所得税がかからない給与額や扶養家族の人数などの基礎控除も考慮する必要があるんですね。そして、2ヶ所目以降の会社(その他の会社)の給与計算で使用する欄が「乙欄」なんですね。

 

村田税理士
この源泉徴収税額表は、社会保険(雇用保険も含む)を控除した後の給与金額に課税されますので、前回のコラムで記載した「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出している場合は、自分の会社の役員報酬10万円から社会保険料を控除した金額で毎月の役員報酬から控除する所得税の金額(源泉所得税額)を計算することとなります。

 

【前回のコラム】
副業などで2ヶ所以上(複数)の会社から給与をもらう場合の注意点(1)ー社会保険編

 

相談者
社会保険料については、前回のコラムを確認するとよいですよね。わかりました!

 

 

副業をバレにくくする方法
相談者
あと、今回のコラムではメインの会社(「甲欄」で給与計算する会社)の給与計算は変わらないけれど、年末調整で副業していることがバレるかもしれないと聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか?
村田税理士
メインの会社に副業を知られたくない場合、メインの会社には他の会社から給与をもらっていることを伝えず、確定申告を行うことでバレにくくなりますが、

本コラムのように給与をもらうタイプの副業の場合は、確定申告を行なっても最終的には住民税の計算で副業がバレることがあります。

詳しくは、次回のコラムで説明します。

また、前回のコラムでも触れましたが、複数の会社で社会保険の加入義務が発生し、社会保険料が変更される場合などは、副業の所得を自分で確定申告しても副業が会社にバレることがあります。詳しくは、前回のコラムの「副業が会社にバレやすいケースとは?」をご参照ください。

 

【前回のコラム】
副業などで2ヶ所以上・複数の会社から給与をもらう場合の注意点(1)—社会保険編


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>>次回のコラムに続く
副業などで2ヶ所以上(複数)の会社から給与をもらう場合の注意点(3) ー年末調整・確定申告・住民税の特別徴収編
 

【関連コラム】
副業などで2ヶ所以上(複数)の会社から給与をもらう場合の注意点(1)ー社会保険編

村田 光平(むらた こうへい)

公認会計士、税理士 、行政書士 、公益社団法人日本監査役協会会員。2005年に中央青山監査法人、2007年に京都監査法人東京事務所を経て、2013年より税理士事務所を開業。年間50社の会社設立手続を行い、法務・税務の両面からサポートを行うスタートアップ企業のエキスパート。