専門家が語る

給与計算ってどうやるの?〜従業員Ver.〜

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はじめに

前回は、社長1人の会社の場合の給与計算について説明をしましたが、今回は従業員を雇った場合の給与計算について説明をしてみたいと思います。(前回の1人社長の給与計算はこちら

社長の給与計算の場合は役員報酬が定額でしたが、従業員の場合は労働時間に応じた時間外手当などの各種割増賃金が発生することや、社会保険に加え雇用保険にも加入し、雇用保険料の控除計算が必要になるなど、給与計算が複雑になります。

今回も、具体的な例に基づいて説明をしたいと思います。

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結論から言うと、A山社員の給与計算は以下の通りになります。

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割増賃金の計算

従業員の給与計算では、まず支給のところで時間外手当などの割増賃金の計算が重要になります。

割増賃金の計算方法は、月給者の場合は、まずは月給を1時間当たりの時間単価に換算し、そこに法定の割増率と対象時間を乗じるという流れになります。

最初に、A山さんの月給の時間単価を計算してみましょう。

次に、各種割増賃金を計算します。

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時間外は125%、深夜は25%、休日出勤は135%というように、法定の割増率が決まっていますので、これ以上の割増率で各種割増賃金は計算しなければなりません。

また、各種割増賃金の対象となる時間数については、法律上のルールとしては、1分単位で集計することが必要です。15分単位や30分単位で残業代を「丸める」ことが実務上は少なからず行われていますが、法律上の正しいルールは、あくまでも「1分単位」であることを覚えておいてください。

控除に関して

次に、控除に関してですが、健康保険と厚生年金の保険料の控除に関しては、社長1人のときと考え方は同じです。年金事務所に加入の届出をしたときに決定された標準報酬月額に基づいて、「保険料額表」にあてはめて控除すべき保険料額を確認します。時間外手当や休日出勤手当で支給額が増えたとしても、控除すべき健康保険や厚生年金の保険料は一定額で変わりません。(保険料額表は最新のものをご利用ください。)

そして、従業員の場合に新たに加わるのが雇用保険料の計算です。雇用保険は、総支給額に0.4%を乗じて計算されます(※農林水産・清酒製造・建設事業以外の、一般事業の場合)。

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所得税に関しては、社長の給与計算のときと同様に、国税庁が出している「月額表」という表に当てはめて計算をします。(月額表は最新のものをご利用ください。)

1人社長の給与計算はこちら

まとめ

以上が一般的な従業員の給与計算の流れになりますが、従業員の給与計算でポイントになるのは、やはり割増賃金の計算と、その計算の根拠となる出勤簿(あるいはタイムカード)の記録や集計です。

たとえば、タイムカードの場合であれば、業務終了後に直ちに打刻するように従業員に習慣づけしましょう。打刻をするタイミングがルーズになってしまうと、残業をしていたのか雑談をしていたのか分からなくなり余分な残業代を支払うことになったり、労働基準監督署の調査があった場合に残業代と打刻のズレの説明に苦慮したりということになってしまいかねません。

同様に、給与計算freeeなどクラウドソフトの勤怠管理機能を利用する場合も、業務開始時刻と業務終了時刻を正しく入力するよう従業員に意識をさせて下さい。

従業員の給与計算を正しく行うためには、正しい勤怠管理が第一歩となります。

また、今回の計算例では基本給のみでしたが、役職手当や資格手当など各種手当が支払われている場合は、通勤手当のような実費弁償的な一部の手当を除き、割増賃金の計算の基礎に入れなければならないことも覚えておいてください。

割増賃金の計算は、社長が自らが計算するのはなかなか難儀ですし、できたとしても時間がかかってしまいますので、従業員を雇ったときは、税理士や社労士に給与計算をアウトソーシングする1つのタイミングになるかもしれません。

あるいは、給与計算freeeやMFクラウド給与など、クラウド給与計算ソフトであれば比較的簡単な設定で各種割増賃金を自動計算してくれますので、これらのようなソフトを導入することも一手でしょう。

 

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榊 裕葵(さかき ゆうき)

ポライト社会保険労務士法人 社会保険労務士。上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務後、社会保険労務士として独立。勤務時代、常に経営者の側で仕事をしてきた経験も活かしながら、スタートアップ企業の労務管理体制の構築や、助成金申請の支援を積極的に行っている。